研究課題/領域番号 |
21591917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
坂山 憲史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00284399)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2011年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 非イオン性界面活性剤 / レクチン / 骨肉腫 / Drug Delivery System / 糖鎖 / リポソーム / ベシクル / アポトーシス |
研究概要 |
目的 本研究は、海藻由来レクチンであるEucheuma serra agglutinin(ESA)と腫瘍細胞表面の糖鎖の特異的結合を利用し、Drug Delivery System(DDS)における悪性骨・軟部腫瘍治療法の臨床応用を企図した開発を行うものである。すなわちESAをDDSの薬物運搬体である非イオン性界面活性剤(Span80)ベシクル上に固定化する腫瘍標的リガンドとして利用し、化学療法剤(イフォマイド)を内包させて、ESAのヒト骨肉腫細胞株に対する特異結合性、ベシクル粒径による体内動態の差異、粒径別の血管内皮細胞透化現症の解析を行った。さらにこの投与系の安全性を検証するため、ESAベシクル投与による毒性・副作用の詳細な解析を行うこと、大型動物を用いた安全性の検証も目的とした。 結果 ESAの特異的結合サイトとなるOST細胞表面の糖鎖を質量分析で解析したところ、ハイ・マンノース型糖鎖であることを見いだし、ESAがOST細胞膜上のマンノース型糖鎖を認識して結合していることを明らかにした。さらに、粒径を種々に制御したFITC内包ESAベシクルを投与して経時的に観察し、粒径が60-100nmのものが、膜融合によってベシクル内のFITCが骨肉腫細胞の細胞質に移行しやすいことを明らかにした。以上の結果をふまえ、in vivo実験として、上記粒径のイホマイド内包ESA固定化ベシクルをマウス頭部にOSTを移植した担癌ヌードマウスに、眼窩静脈より投与して、腫瘍体積変化を測定し、抗癌活性を検討し、これが腫瘍を抑制することを見いだした。さらに、治療モデルマウスの全臓器を検索し、ESAベシクルの安全性を検証し、フリーのESA投与では、軽度の肝実質障害を誘導するものの、ESA固定化ベシクルではほとんど有害な副作用を認めなかった。なお、研究代表者の退職に伴い、本研究は今年度をもって打ち切りとなる。
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