研究課題/領域番号 |
21592042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡部 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10452335)
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研究分担者 |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20324642)
兼松 明弘 京都大学, 医学研究科, 講師 (90437202)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 尿路上皮癌 / 化学療法抵抗性 / 膀胱発癌 |
研究概要 |
我々は、術前化学療法に対する治療奏功群と不応群の遺伝子発現プロファイルの比較を行い、Thioredoxin Binding protein-2(TBP-2)を含むレドックス関連遺伝子群の発現差が、シスプラチンを主体とする化学療法に対する治療反応性の規定因子である可能性を見いだした。またこれらの遺伝子発現状態のvalidationを行い、発癌の早期よりその発現低下が認められることを確認した。更にはこのTBP-2遺伝子のノックアウトマウスを用いた膀胱発癌実験を行い、TBP-2ノックアウトマウスに於いて発癌物質暴露の早期より、高異型の癌が発生することを見いだした。発生した癌組織の主要標的分子経路のプロファイリング行うことで、発癌が顕在化する前にTBP-2遺伝子の発現抑制とそれに引き続くoncogenicなMAPKシグナルが亢進し起きる知見を得た。また、発癌後粘膜下浸潤を始める時期に一致して、p53の変異が生じることを発見した。発癌過程の中-晩期に生じる悪性進展のKey playerであるp53変異との相互関係は大変興味深い。これまで我々が行ってきたp53経路とそれに関連する抗癌剤抵抗性機序の解明の知見を踏まえて、現在我々は、発癌に伴い経時的に見られる「TBP-2発現低下-MAPKによる発癌促進-p53変異出現による悪性進展」という一連のシグナル伝達経路の変化パターンが浸潤性膀胱癌への化学療法反応性を決定する最も重要な経路であると考えるに至っている。今後さらに、上記遺伝子改変マウスにおける発癌過程とそれに伴うp53変異等の遺伝子変化・シグナル伝達経路の活性変化を検討をすすめ、上記経路の変化パターンに応じた治療モデルの樹立を目指す予定である。
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