配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
Toll-like receptor(TLR)は自然免疫における重要なセンサーであり,種々の細胞に発現し免疫応答を誘導することが知られている。近年,癌細胞においてもTLRが発現していることが明らかとなってきたが,頭頸部癌でのTLRの発現およびその生物学的な役割についてはいまだ不明な点も多い。我々は頭頸部癌においてTLRの発現について検討した。8種類の異なる頭頸部扁平上皮癌細胞株を用いて, in vitroでmRNAおよび蛋白レベルでTLRの発現についての検討を行った。また, TLR2のリガンドであるPam3CSK4, TLR3のリガンドであるpolyinosine-polycytidylic acid(poly I : C)で細胞株を刺激しその変化について検討した。その結果,頭頸部癌においてTLRは発現しており,なかでもTLR2およびTLR3は強発現する傾向にあった。また,頭頸部癌においてTLR2を介する刺激を加えると細胞増殖が, TLR3を介する刺激を加えると細胞のアポトーシスが誘導されることが明らかとなった。さらに, TLR2を介する刺激は細胞増殖以外にも浸潤能増加にも関与が示唆された。これらの研究成果より, TLR2については頭頸部癌の増殖や浸潤に関わる因子として, TLR3については頭頸部癌のアポトーシスを誘導する因子として,いずれも臨床に直結する治療標的として応用が期待される。
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