配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究概要 |
SDF-1とそのレセプターであるCXCR4が新生血管の伸長にどのように関与しているのかを調べた。はじめにマウスを用いた実験では、生後伸長する網膜血管にはSDF-1,CXCR4の発現が見られ、それらを阻害することによって正常血管の発達が抑制された。同時にSDF-1,CXCR4の阻害により血管内皮のtip cellの伸長とstalk cellの増殖が抑制され、血管新生を促進するとされているマイクログリアの数、おもにtip cellが発現するKDR/Flk-1,UNC5B,PDGFBのmRNAの抑制が認められた。網膜培養実験ではVEGFを点加することによってSDF-1のmRNAが増加し、SDF-1,CXCR4の阻害によってVEGFによる血管新生を抑制することができた。さらに網膜培養系において新生血管の伸長をリアルタイムで観察した。その実験においてSDF-1,CXCR4が新生血管の伸長に直接関与しており、またtip cellの伸び縮みにも関与していることがわかった。さらにSDF-1,CXCR4を阻害することによってVEGFによって刺激された網膜内マイクログリアの動きを抑制することができた。またマイクログリアの数を減らすことによりVEGFによる血管新生を抑制することができ、血管新生におけるマイクログリアの働きを再度確認することができた。以上のことよりSDF-1,CXCR4は血管内皮のtip cellを直接活性化し、間接的にマイクログリアに影響を与えることによって、網膜の血管新生における重要な働きを演じていることが判明した。これらのことからSDF-1またはCXCR4をターゲットとした新しい網膜新生血管抑制治療が可能であると考えられた。
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