研究課題/領域番号 |
21592302
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
伊関 憲 山形大学, 医学部, 准教授 (70332921)
|
研究分担者 |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 生体ストレス応答 / OGD酸素グルコース欠乏 / 海馬神経細胞 / 核内脂質代謝酵素 / 細胞死 / 低酸素 / 脳 / グリア細胞 / 神経細胞 / ストレス応答 |
研究概要 |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)はジアシルグリセロール(DG)の代謝を介して細胞内情報伝達に重要な役割を果たす。我々は、DGKアイソザイムの1つであるζ型DGKが核移行シグナルを有し核内に存在すること、一過性脳虚血(20分間)モデルラットの海馬CA1錐体細胞において核から細胞質に移行し再還流後も核内に戻ることはないことを報告してきた。しかし、虚血ストレスにおけるζ型DGKの核外移行に関する詳細なメカニズムおよび機能的意義は未だ不明である。本研究では、脳虚血負荷実験をシミュレートするためにラット海馬スライスに酸素グルコース欠乏負荷(oxygen-glucose deprivation : OGD)を与え、ζ型DGKの細胞内局在の経時的変化を詳細に検討した。ζ型DGKは動物モデル実験と同様、OGD負荷20分後から徐々に核外に移行し、その後、酸素グルコースを含む通常培養条件下に戻しても再び核内に戻ることはなかった。一方、OGD負荷10分後ではζ型DGKの核外移行は認められないが、その後、通常培養条件下に戻すと60分後にはζ型DGKが完全に核外へ移行することが明らかとなった。以上より、10分間のOGD負荷により細胞死カスケードが作動し、ζ型DGKの核外移行が誘導された可能性が示唆された。さらにグルタミン酸毒性との関連性を追求するために、通常培養条件下においてNMDAを添加するとζ型DGKの核外移行が誘導され、一方OGD負荷時にNMDA受容体を阻害するとζ型DGKの核外移行は認められなくなった。また、細胞外Ca2+をキレートしOGD負荷を行うとζ型DGKの核外移行は起こらなかった。以上よりζ型DGKの核外移行には、NMDA受容体刺激による細胞外Ca2+の細胞内流入が重要であると考えられた。
|