配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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研究概要 |
実験計画の通り,敗血症によりICUに入室した患者7名(男:女=4:3,平均年齢84歳、原疾患:汎発性腹膜炎3例,重症肺炎2例,尿路感染症1例,蜂窩織炎1例)にSuper high-flux膜を用いた超大孔径膜二重血液濾過(Super high-flux double hemofiltration)を施行し,治療開始前および開始後経時的にHMGB-1濃度を測定しその推移を検討した。条件は前年の結果から2L/h置換とした.治療中のIL-6のクリアランスは28±10ml/min, HMGB-1のクリアランスも15±6ml/minと良好なクリアランス値が得られた.IL-6およびHMGB-1は施行前にはそれぞれ1260±320pg/ml, 35±12ng/mlであったが,それらの血中濃度は経日的に低下(1日目のIL-6:620±232pg/ml, HMGB-1:27±13ng/ml)がみられ,2日後にはそれぞれ有意に低下した(IL-6:430±180pg/ml, p<0.05およびHMGB-1:14±9ng/ml,p<0.05).ICU入室時の予測死亡率は60%であったが,実死亡率は25%であり,有意に死亡率の低下がみられた(p<0.05).これらから,超大孔径膜二重血液濾過はそれまで十分除去できなかった炎症性サイトカイン(IL-6)や後期メディエータであるHMGB-1について良好な除去クリアランス値を達成し,それらの除去の結果,血中濃度の経時的低下をもたらし,さらに予測死亡率よりも実死亡率が低く,良好な臨床的結果を得る事ができた.次年度も引き続いて,対照群との比較研究を臨床例において行う.
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