研究分担者 |
根本 優子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10164667)
馬場 友巳 (馬場 友己) 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60189727)
小早川 健 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教務職員 (10153587)
小野 俊雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80050607)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2011年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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研究概要 |
Porphyromonas属菌は絶対嫌気・糖非発酵性グラム陰性桿菌で,ジペプチドあるいはトリペプチドを取り込み,エネルギー源として利用する。本研究で我々は全く新規の基質特異性を有するジペプチジルペプチダーゼ(DPP)をクローニングし解析した。3種のDPP7の遺伝子配列をもとに,縮重PCR法とジーンウォーキングによりPorphyromonas endodontalis(ATCC35406)のDPP遺伝子(DPP11と命名)を単離した。BLAST検索により,これまでDPP7に分類されていたP. gingivalisホモログ(PgDPP11)を見いだした。検討の結果,両菌のDPP11はP1位置アミノ酸(N末端より2番目)がAspまたはGluであるジペプチジル-MCAを加水分解する新規DPPであった。DPP11は, Pro特異的DPP IVや疎水性アミノ酸選択的DPP7を補完して, P. gingivalisにおいて効率的なジペプチドの取り込みに寄与していると考えられた。さらにDPP11の酵素活性の詳細を解析し,基質特異性に関わるアミノ酸残基Arg^<670>を特定した。 Exfoliative tixin(ET) AはStaphylococcus aureus感染によって発症するブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS,一般名とびひ)の病原因子とされ,細胞間接着装置であるデスモソームタンパク質デスモグレイン1(Dsg1)のGlu381-Gly382間を切断するプロテアーゼであることが示されている。しかし,合成基質を含めてDsg1以外への分解活性は認められておらず,解析が進んでいない。我々はETA wt, N末端欠失分子(Δ38,Δ57)及びSse233Ala ETAを大腸菌で発現し,蛍光基質であるLLE-MCAを用いてプロテアーゼ活性を測定するとともし, ETAを1日齢マウスの背部皮下に投与し,生物活性を評価した。ETA-wt,Δ38-ETAにはLLE-MCA分解活性が認められたが,第1αへリックス(α1)欠失Δ57-ETA及びS233A変異分子ではプロテアーゼ活性が消失した。これらを皮下投与した結果,プロテアーゼ活性を有するETAでのみ全身の表皮剥離が見られ,組織観察では有棘層からの顆粒層の分離を認めた。その結果ETAの生物活性にはプロテアーゼ活性が必須であることが示唆された。
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