研究課題/領域番号 |
21592416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
富田 文仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00323973)
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研究分担者 |
江尻 貞一 朝日大学, 歯学部, 教授 (40160361)
興地 隆史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Ni-Tiファイル / μCT / レジン系根管充填材 |
研究概要 |
ヒト抜去歯をマイクロCT(日鉄エレックス製NX-LCP-C80)にて撮影し、20-25°の湾曲根管を有する上顎大臼歯頬側根あるいは下顎大臼歯近心根12本(12根管)を選択した。これらを根尖から10mmの位置で切断したのち、ProTaper(Dentsply Maillefer)にてメーカー指定の方法でF2(根尖部#25、.07テーパー)まで形成後、6本ずつ2群に分け、1群では#25/.06テーパー、2群では#25/.02テーパーのガッタパーチャポイント(Zipperer)とSuperBond根管充填用シーラー(Sun Medical)により単ポイント根管充填を行った。シーラーはシリンジ(ニシカスピン23G日本歯科薬品)にて根管内に輸送した。試料を37℃、湿度100%で14日保管後、ProTaper Retreatment File(D1、D2、D3)およびProTaper F2、F3を使用し、根管充填材除去および再形成を行った。メーカー指定の方法に従いD1は根管上部1/3、D2は2/3、D3・F2・F3は根尖部まで形成としたが、作業長まで到達しない場合、active tipを持つD1にて根尖部まで形成を行った。マイクロCT撮影は根管充填後および各ファイルによる形成終了毎に行い、さらに作業長まで形成が可能であった場合は根尖より1,3,5mmの位置を、また作業長までの形成が不可能であった場合は、湾曲開始部および挿入可能であった最深部のスライス像を数値解析に供した。すなわち、各観察位置における歯根断面を外湾側と内湾側に2分割して各々の面積を画像解析ソフトウエアで算出し、根管充填材除去前後の歯質削除量を内・外湾側について求めた。対応のあるt検定(危険率5%)にて統計処理を行った。1群(#25/.06テーパー)では、メーカー指定の方法では6根管中4根管で作業長まで到達しなかったが、D1を根尖まで使用することで、全例で作業長まで形成が可能となった。根尖より1,3,5mmのすべての断面において除去前後で歯質削除量に内・外湾側間の有意差は認められなかった。切削傾向として、根管充填材が除去可能、もしくは、内湾側への根管の移動の傾向がみられた。1例において、根尖までの再形成が可能であったもののF2形成時に根管湾曲部において、ファイル破折がおこった。2群(#25/.02テーパー)では、全例で作業長までの到達が不可能であった。挿入可能であった最深部での根管の移動は生じていないものの、湾曲開始部では外湾側と比較して有意に内側側の削除量が大きかった。湾曲根管に充填されたSuperBond根管充填用シーラーをNiTiロータリーファイルを用いて除去する場合、ガッタパーチャ充塞率が高串であることが、除去に有利に作用することが示された。また、通常の根管形成とは異なり、内湾側を切削する傾向があることが示唆された。
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