口腔癌の浸潤・転移を制御する上皮整合性機構の解明

• 研究課題/領域番号: 21592526
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 外科系歯学
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 東川 晃一郎 広島大学, 病院, 講師 (80363084)
• 研究分担者: 鎌田 伸之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70242211) ; 飛梅 圭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教 (40350037) ; 重石 英生 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90397943)
• 連携研究者: 小野 重弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教研 (70379882)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• 研究課題ステータス: 完了 (2011年度)
• 配分額: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円); 2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 口腔癌 / 上皮間葉移行 / 癌の浸潤・転移 / p^63 / 上皮整合性 / 上皮・間葉移行 / p63

研究概要

口腔癌の浸潤・転移の過程においてEMT現象が重要である。Snailが多くの標的遺伝子の転写を制御し、それら標的遺伝子産物が機能して多くの現象が生じることでEMTが成立する。その中で、上皮細胞が間葉細胞に変化する過程において細胞間接着が失われて上皮整合性が崩れることに注目し、その詳細を解析した。口腔扁平上皮癌細胞株にウイルスベクターでSnailを強制発現させた細胞プールを作成し、それら細胞に遊走スペースを与えることでEMTを継時的に再現する系を確立した。細胞間接着因子E-カドヘリンの発現と局在およびp^63の発現で上皮整合性の喪失を検索したところ、EMTは多段階であり、完全な細胞間接着はEMTの最終段階であること、また成長因子などの液性因子でこの段階まで誘導できることが分かった。

研究成果

• [雑誌論文] PGE(2) targets squamous cell carcinoma cell with the activated epidermal growth factor receptor family for survival against 5-fluorouracil through NR4A2 induction (2011)
  • 著者名/発表者名: Shigeishi H, Higashikawa K, Hatano H, Okui G, Tanaka F, Tran TT, Rizqiawan A, Ono S, Tobiume K, Kamata N
  • 雑誌名: CancerLett 巻: 307(2) ページ: 227-36
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lymphangiogenesis and metastasis : Role of tumor-inducedlymphatic vessel activation in extramammary Paget' s disease (2009)
  • 著者名/発表者名: Hirakawa S, Detmar M, Kerjaschki D, Nagamatsu S, Matsuo K, Tanemura A, Kamata N, Higashikawa K, Okazaki H, Kameda K, Nishida-Fukuda H, Mori H, Hanakawa Y, Sayama K, Shirakata Y, Tohyama M, Tokumaru S, Katayama I, Hashimoto K
  • 雑誌名: Am JPathol 巻: 175(5) ページ: 2235-48
  • 査読あり
• [雑誌論文] Overexpression of the receptor for hyaluronan-mediated motility, correlates with expression of microtubule-associated protein in human oral squamous cell carcinomas (2009)
  • 著者名/発表者名: Shigeishi H, Fujimoto S, Hiraoka M, OnoS, Taki M, Ohta K, Higashikawa K, Kamata N
  • 雑誌名: Int J Oncol 巻: 34(6) ページ: 1565-1571
  • 査読あり
• [雑誌論文] DeltaNp63alpha-dependent expression of Id-3 distinctively suppresses the invasiveness of human squamous cell carcinoma (2009)
  • 著者名/発表者名: Higashikawa K, Yoneda S, Tobiume K, Saitoh M, Taki M, Mitani Y, Shigeishi H, Ono S, Kamata N
  • 雑誌名: Int J Cancer 巻: 124(12) ページ: 2837-2844
  • 査読あり
• [雑誌論文] deltaNp63alpha-dependent expression of Id-3 distinctively suppressed the invasiveness of human squamous cell carcinoma (2009)
  • 著者名/発表者名: Koichiro Higashikawa, et al.
  • 雑誌名: International Journal of Cancer 124 ページ: 2837-2844
  • 査読あり
• [学会発表] 癌細胞の浸潤・転移 (2011)
  • 著者名/発表者名: 東川晃一郎
  • 学会等名: 口腔癌治療における遺伝子診断の役割
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2011-04-21
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌細胞の高度浸潤能獲得におけるCyr61の役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田中扶美
  • 学会等名: 第64回日本口腔科学会学術集会・学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] Paracrine PGE2 targets epiregulin-overexpressing squamous cell carcinoma for resistance to anti-5-FU-induced apoptosis (2010)
  • 著者名/発表者名: 東川晃一郎
  • 学会等名: 第69回日本癌学会・学術総会
  • 発表場所: 大阪
• [学会発表] A Snail target gene product Cyr61 regulates the invasiveness of squamous cell carcinoma (2010)
  • 著者名/発表者名: 東川晃一郎
  • 学会等名: 第69回日本癌学会・学術総会
  • 発表場所: 大阪
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌の抗癌剤耐性獲得機構における微小環境因子の関与 (2010)
  • 著者名/発表者名: 東川晃一郎
  • 学会等名: 第55回(社)日本口腔外科学会総会・学術大会
  • 発表場所: 幕張
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌細胞の高度浸潤能獲得におけるCyr61の役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田中扶美
  • 学会等名: 第55回(社)日本口腔外科学会総会・学術大会
  • 発表場所: 幕張
• [学会発表] EMT型口腔扁平上皮癌細胞における gamma-secretase inhibitor 抵抗性の解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 東川晃一郎, 他
  • 学会等名: 第54回日本口腔外科学会総会
  • 発表場所: 札幌市
  • 年月日: 2009-10-09
• [学会発表] Epithelial Mesennchymal Transitionと腫瘍の転移・浸潤 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鎌田伸之, 東川晃一郎
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] Snail による転写調節とEMTの誘導 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鎌田伸之, 東川晃一郎, 飛梅圭
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] Functional analysis of Snail-mediated downregulation of deltaNp63alpha in squamous cell carcinoma cells (2009)
  • 著者名/発表者名: 東川晃一郎, 他
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2009-10-03