配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2011年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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研究概要 |
歯周組織における炎症制御および再生過程にアディポネクチンが及ぼす影響を解明することを目的として,歯周局所における炎症反応や免疫応答に積極的に関与することが知られている歯肉線維芽細胞に着目し,in vitroにて歯肉線維芽細胞の各種炎症性サイトカイン発現が,アディポネクチンによりどのように制御されるのか検討し,さらにその作用機序について詳細に解析した。次いで,歯周組織再生過程において重要な役割を果たすことが示されている歯根膜細胞をin vitroにて硬組織形成細胞への分化誘導を行い,その分化過程におけるアディポネクチンの作用について検討を行った。その結果、1)ヒト歯肉線維芽細胞,ヒト歯根膜細胞,マウス歯肉線維芽細胞中にAdipoR1, AdipoR2 mRNAおよび同タンパク発現を認めた。2)IL-1β刺激によるヒト歯肉線維芽細胞中のIL-6, TNFα, IL-β, IL-8mRNA発現上昇は,アディポネクチンにより抑制を認めた。MCP-1mRNA発現上昇には影響を認めなかった。その抑制効果はアディポネクチン濃度依存的であることが明らかとなった。さらにIL-1β刺激によるヒト歯肉線維芽細胞の培養上清中のIL-6, IL-8タンパク量の増加は,アディポネクチンにより抑制を認めた。3)1L-1β刺激によるマウス歯肉線維芽細胞中のIL-6mRNA発現上昇は,アディポネクチンにより抑制を認めた。その抑制効果はsi AdipoR1により減弱を認めたが,si AdipoR2においては影響を認めなかった。4)ヒト歯根膜細胞をアデイポネクチン含有石灰化誘導培地にて培養した場合,アディポネクチン非含有石灰化誘導培地にて培養した場合に比べ,アルカリフィスファターゼ活性の有意な増加を認め,ALP, RUNX2 mRNAの有意な発現上昇を認めた。さらに石灰化ノジュール形成の有意な亢進を認めた。
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