研究課題/領域番号 |
21592807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生涯発達看護学
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研究機関 | 日本赤十字北海道看護大学 |
研究代表者 |
小嶋 理恵子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 講師 (20404402)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2009年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 妊娠・出産の場(コミュニティ)の機能 / 援助者による調整 / 夫婦関係の再構築 / 父親役割の創出 / 父親としての生き方 / 働き方の交渉 / 相互作用 / 当事者化 |
研究概要 |
平成22年度は、北海道の助産院で1組の初産のカップルおよび、病院で1組を対象に、妊娠期から産後1、2か月までの期間に縦断的聞き取り調査を実施した結果、新たなカテゴリーは抽出されなかった。また、助産院では、【妊娠・出産に積極的に関わって欲しい妻との夫婦間葛藤】が、親としての自分の生き方と、男性社会における自分の生き方の再構築をする動機づけとなっていたが、一方で、夫婦間暴力の要因になることにも着目し、DV加害者カウンセラーへのインタビュー調査を行った。その結果、女性は【妊娠・出産までは元気な赤ちゃんを産むことに集中する】するが故に【男性に自分が理想とする父親像を要求】し、【男性社会から期待される役割の遂行】を常に求められる男性は、【妻の期待と男性社会からの期待の狭間で揺れ動く】中で、【妊娠・出産における自分の役割を見出せない】まま、【求められる役割に対するプレッシャー】だけが増大していくことがわかった。これらは【当事者だけでは解決できない溝】であり、互いのニーズに気づけるよう援助者の役割が重要であることがわかった。これまで得られた3か所の助産院、および病院、DVカウンセラー等を対象とした調査によって得られた結果からカテゴリーの比較検討を重ね、データの飽和化は得られたと判断した。つまり、妊娠・出産における男性は、【パートナーの妊娠に対する喜びと葛藤】から【妊娠・出産の場(コミュニティ)に馴染む中で得られる安心感と連帯感】や【妊娠・出産の場(コミュニティ)に属する他者との交流を通して女性や自分自身のニーズに気づく体験】により【葛藤への対処と妊娠・出産期におけるパートナー・父親役割の創出】という段階に移行していた。よって本研究課題を終了とし、学会発表を通して考察を深めるとともに、本研究結果を基に質問紙を作成し、新たな研究枠組みによる量的調査によって研究課題を補完していく。
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