研究課題
基盤研究(C)
近年、パーキンソン病等の神経変性疾患、及び、大うつ病や統合失調症等の精神疾患の罹患脳にて神経幹細胞障害が確認され、神経幹細胞は、それら疾患の診断・治療のための分子標的として関心を集めている。そこで本研究では初めに、神経幹細胞特異的にPETトレーサー[ 18F] FMTを取り込ませることができる、レンチウィルスによる中性アミノ酸トランスポーターLAT4遺伝子発現系を構築することで、PETを用い、ほ乳動物にて神経幹細胞の成体脳内動態をリアルタイムに画像化するための動物評価系を創出した。そして、ラットにて移植神経幹細胞の脳内動態をPETにより画像化するとともに、ラットの脳室下帯(SVZ)と海馬歯状回(SGZ)に脳定位装置を用いてレンチウィルスを感染させ、それらに内在する神経幹細胞をPETにより画像化した。ここでは、また、培養神経幹細胞で増殖因子活性を呈する医薬候補化合物について、その成体脳神経新生に及ぼす影響をPETで定量的に解析した。次に、本研究では、大うつ病及び統合失調症の病態モデルマウスにて、SVZとSGZの神経幹細胞にレンチウィルスを感染させることで、それら精神疾患罹患脳における神経幹細胞の脳内動態、並びに成体脳神経新生障害の惹起の経過をin vivoで解析した。そして、当該マウスに抗うつ薬や向精神薬等を投与することで、大うつ病や統合失調症等の精神疾患の病態生理に神経幹細胞が与る仕組みを探究した。
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