研究概要 |
海洋産ポリエーテル系天然物マイトトキシンの重要セグメント合成のための有用反応を開発し、更にそれらを用いて各種セグメントを合成した。 (1)アルデヒドと光学活性(E)-propenyl-(R)-sulfoxideにSmI_2を作用させると、anti-選択的カップリング反応が進行することを見いだした。 (2)GHIJK環部の合成:Glucose誘導体よりSharpless不斉ジオール化反応,ラクトール化、立体選択的アリル基導入を経てanti-trans-J環を合成した。β-Alkoxyacrylate及びβ-alkoxyvinyl sulfoxideのSmI_2環化を行いHIJ環を構築後、α,β-不飽和ラクトンへの変換を経て、分子内oxy-Michael反応でG環を構築し,GHIJK環の合成を達成した。 (3)LM-NO環の合成:開発した光学活性β-alkoxyvinyl sulfoxideのSmI_2による立体選択的環化反応を用いて,LM及びNO環を構築した。 (4)RSTUV環の合成:V環ヨード・アルコールとRS環カルボン酸を合成し、両者をエステル化で結合した後、t-BuLiを作用させジヒドロピランU環を得た。O,S-アセタールに導き、Me基を導入し、環拡大を経てST環O,S-アセタールに導き、メチル基導入してRSTUV環の合成を達成した。 (5)開発したメチル基導入反応を発展させ,2,6-ジメチルテトラヒドロピランの効率的合成法を確立した。
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