研究課題/領域番号 |
21650053
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
図書館情報学・人文社会情報学
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
佐藤 雅彦 東京芸術大学, 大学院・映像研究科, 教授 (80317312)
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研究分担者 |
河内 晋平 独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館, 学芸研究部登録室, アソシエイトフェロー (00554982)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | デジタル・アーカイブ / 美術史(工藝) / 職人 / 復元技術 / 文化財 |
研究概要 |
1.奈良県春日大社御宝物「柏木菟腰刀」の目釘金具の計測撮影 昨年度開発した治具とテックサイエンス社Alicona機を使用して計測撮影を行い、その後撮影時の安全性についての考察を機器操作技術者、学芸員、職人とともに考察、検討した。 2.Tesco社X線CTスキャン機器においては、刀と刀装具(鐔)の撮影を行い、制作した治具の安全性についての考察と検証を行った。また撮影した鐔データの検証から新たな制作技法に付いての試料が得られた。 3.年度後半は計測データの処理、計測治具の改良点をふまえ治具の再設計を行った。 昨年度に制作した高精細デジタル測定機器の文化財用治具を用いて撮影測定、データ処理、手順や測定治具の安全性に関する考察を行った。文化財の実撮影では、目的としていた春日大社の御宝物「柏木菟腰刀」の金具部分の3Dデジタル測定が安全に行うことができた。それ以外にも、刀剣のX線CTによる撮影、また表面のテクスチャー撮影のための実験も開発した治具を使用することで安全に行えた。また、刀の鐔についても治具を制作しX線CT撮影を行った。 刀の鐔に関しては、3Dデジタルデータの取得だけではなく、新たな鐔の制作技法に関する発見が得られた。この結果により、文化財のデジタル測定の必要性がより望まれる事になると考えられる。その際、今回の研究の成果を基盤に、より汎用性を持った撮影治具、手順についての開発を引き続き行う事が出来る。その他、本研究で取得し処理した3Dデータ、撮影手順についての考察を整理し、情報のアーカイブ、論文等での発表のための資料整理を行った。 研究に使用した、Alicona機、Tesco社X線CTスキャン機器での計測撮影で取得したデータについて、データ処理に有する時間が当初の予想より必要となったが、目標とする文化財3D情報は取得し大きな研究の目的は達成できた。
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