研究課題/領域番号 |
21650056
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋木 潤 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60283470)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 視覚的注意 / 遺伝子多型 / 文化 / 多様性 / 認知神経遺伝学 |
研究概要 |
視覚的注意に関する行動指標と遺伝子多型の相関を検討するための実験を継続し、合計100名のデータを収集した。視覚的注意課題としては、Attention network test課題、視覚探索課題(ポップアウト、結合探索課題、及び文化比較実験との対比のための線分長探索課題)、シーン認識課題、Crowding課題を実施した。これら一連の課題と並行して協力者からDNAサンプルを採取し、アセチルコリンの働きと関連するCHRNA4、ドーパミンの働きと関連するDBHの遺伝子型を同定した。昨年度実施した行動課題の指標の探索的因子分析を踏まえて、今年度は、CHRNA4の遺伝子多型との関連が見出されたAttention network test課題とシーン認識課題に絞って、詳細な分析を行った。まず、orientingと多型の間に見られた先行研究とは逆の相関関係については、先行研究と本研究の課題の違い、被験者のグループの違いの両方の原因が考えられるので、これを検討するために欧米人の被験者も含めた共同研究の準備を行った。また、従来まったく報告のない、新しい発見であるシーン認識課題の成績と遺伝子多型との間に有意な相関については、多型の効果が画像の提示時間が長い時に限定されることからシーン画像からの情報抽出容量に関連することが示唆された。また、シーン認識課題と注意課題の間の相関が見られないことから、従来報告されているCHRNA4の視覚的注意への効果とは異なる機序を持つ効果である可能性が考えられた。ドーパミンの働きと関連し記憶課題との相関が報告されているDBHについては、今回用いた行動課題との関連は見いだされなかった。
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