研究課題
挑戦的萌芽研究
睡眠中の海馬神経回路再活性化の記憶固定における意義を明らかにする為に必要な技術開発と条件検討を行なった。Archをなるべく数多くのCA1錐体細胞に効率よくかつ長期間発現する条件を探った。この為ウイルスベクター(AAV、ヘルペスウイルス)、子宮内電気穿孔法、トランススジェニックによる発現を検討した。子宮内電気穿孔法は毒性も無く広範囲に発現したが、およそ20%程度の細胞しか発現せず、効率の向上が必要である。AAVは、CMVプロモーターを用いた所、グリア細胞にも多く入り神経特異性が無かった。FLEXカセットとCA1細胞にCreを発現するマウスを組み合わせた物を利用することで選択性の向上が期待できる。CaMKIIプロモーターを用いたトランスジェニック動物も数ラインのファウンダーが得られた。また、発現量を向上させるために、テトラサイクリン反応因子(TRE)の下流にArchをおいたラインも作成した。Archを活性化するための光源も選定を行なった。LEDは多数の光源と光ファイバーを用い海馬の広い領域を照射することが出来るが、実験した所発熱が問題となった。そのため冷却水還流する事を試みた。レーザーは光源の数を増やすのが難しい一方で、光源は動物から離れた所にあるため発熱は問題にならない。光量はどちらの場合も充分であるのが分かったため。また一方で、Edward BoydenらがArchの高活性変異体を作成するのに成功したため、この変異体を使う事で光源は一つでも充分学習の抑制が観察される事も期待された。Archの抑制範囲の確認のためには、最初期遺伝子産物であるArcを免疫染色する事により検出する事を試みた。コントロール動物を新規環境下においてArcの誘導を観察した。
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