研究課題
挑戦的萌芽研究
パーキンソン病は、中脳黒質ドパミンニューロンの選択的脱落を病理学的特徴とし、その投射先である線条体でのドパミン量の低下に起因する運動機能障害を呈する神経変性疾患である。本研究では、パーキンソン病で失われた黒質-線条体神経投射を再生させるために、まず、ドパミンニューロンによる線条体神経支配の機序を明らかにすることを目指した。はじめに、中脳初代分散培養細胞を用いてドパミンニューロンによる線条体神経支配を評価できる系の構築を試みた。シリコン製隔離壁を用いて中脳細胞領域と線条体細胞領域を対峙させて形成し、培養したところ、ドパミンニューロンの軸索は中脳細胞領域から線条体細胞領域へ著しく進展した。進展したドパミンニューロンの軸索は線条体ニューロンとシナプスを形成していたことから、神経支配が成立していると考えられた。次に、ドパミンニューロンによる線条体神経支配の機序を検討したところ、液性因子の関与は小さく、細胞接着因子であるインテグリンの寄与が大きいことを明らかとなった。インテグリンはαとβのサブユニットからなるヘテロダイマーで、そのサブタイプについて特定したところ、インテグリンα5β1が重要な役割を果たしていることを見出した。この新知見は黒質-線条体ドパミン神経投射の形成機構の一端を解明しただけでなく、ドパミンニューロンによる線条体神経支配を促進する分子を見出したという点で、パーキンソン病における細胞移植療法の実用化に大いに貢献すると考えられる。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (38件) (うち査読あり 38件) 学会発表 (31件) 図書 (7件)
J.Pharmacol.Sci.
巻: 115 ページ: 320-328
10029892573
J.Mol.Neurosci.
巻: 40 ページ: 211-216
Biochem.Biophys.Res.Commun.
巻: 391 ページ: 129-134
巻: 112 ページ: 265-272
10027744245
Bioorg.Med.Chem.Lett.
巻: 20 ページ: 1718-1720
Bioorg.Med.Chem.Lett
巻: 20 ページ: 1721-1723
巻: 393 ページ: 514-518
巻: 393 ページ: 728-733
120002191874
J.Recept.Signal Transduct.Res.
巻: 30 ページ: 72-77
J.Neurosci.Res.
巻: 88 ページ: 1934-1942
Peptides
巻: 31 ページ: 1131-1138
120002469577
Eur.J.Pharmacol.
巻: 640 ページ: 68-74
120002426867
巻: 88 ページ: 2155-2164
Brain Res.
巻: 1347 ページ: 170-178
120002484967
Neurosci.Lett.
巻: 481 ページ: 78-81
120002484966
J.Neurosci.Methods.
巻: 192 ページ: 83-89
120002484968
J.Pharmacol.Sci. 109
ページ: 110-118
10025733864
Clin.Exp.Nephrol. 13
ページ: 15-24
10025585604
J.Neurosci.Res. 87
ページ: 576-585
Biol.Pharm.Bull. 32
ページ: 318-324
110007122763
J.Neurochem. 110
ページ: 745-755
J.Pharmacol.Sci. 110
ページ: 493-496
Biochem.Biophys.Res.Commun. 390
ページ: 1018-1022
120001749557
Biochem.Biophys.Res.Commun. 386
ページ: 734-738
ページ: 2105-2114
ページ: 707-718
J.Neurochem. 109
ページ: 1324-1327
110007122760
Biochem.Biophys.Res.Commun. 380
ページ: 60-64
Neuroreport 20
ページ: 161-165
Eur.J.Pharmacol. 602
ページ: 288-293
薬学雑誌 第129巻
ページ: 609-616
130000136165
日薬理誌 第133巻
ページ: 257-260
10025740677
喫煙科学 第24巻
ページ: 6-7
生体の科学 第60巻
ページ: 400-401
医学のあゆみ 第228巻
ページ: 1125-1125
医学のあゆみ 第231巻
ページ: 179-180
ページ: 326-326