研究課題/領域番号 |
21650093
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 温之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10194979)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 海馬 / シナプス伝達 / GABA / クロライドイオン |
研究概要 |
海馬苔状線維シナプスのシナプス前都にはGABA_A受容体が発現することが近年の研究で明らかになった。クロライドチャンネルであるGABA_A受容体の活性化により苔状線維終末の脱分極を生じることから、シナプス前部では細胞内クロライド濃度が細胞体より高く保たれていると推定されている。今年度は、細胞内クロライド濃度の神経細胞内の空間的な分布や濃度勾配を直接的に証明するために、蛍光クロライド指示薬を用いたシナプス前部でのクロライドイメージングを試みた。マウス海馬スライス標本において苔状線維の起始細胞である歯状回顆粒細胞に単一細胞レベルで蛍光クロライド指示薬MEQを負荷するために、単一細胞エレクトロボレーションの条件検討を行い、小型の細胞である歯状回顆粒細胞の細胞体に直視下に蛍光色素を効率的に導入することが可能になった。しかしながら、顆粒細胞の軸索である苔状線維軸索は極めて微細で、また、スライス内を立体的に走行し、共焦点顕微鏡を用いても苔状線維の神経終末部まで連続して蛍光をモニターすることが困難な場合がしばしばであった。そこで、もうひとつのアプローチとして、細胞膜透過型蛍光クロライド指示薬であるdihydro-MEQ(6-methoxy-N-ethyl-1,2-dihydroquinoline)を軸索標識法により多くの苔状線維に同時に導入することを試みている。苔状線維軸索の走行するCA3野透明層にdihydro-MEQを微量注入し、軸索内に取り込まれた後に軸索輸送の機構を介して輸送されることを利用して、多くのスライス表面の苔状線維シナプス前部(終末部および軸索部)に蛍光クロライド指示薬を負荷するための条件検討を行った。
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