研究課題/領域番号 |
21650120
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 佳樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70284528)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 蛍光プローブ / プロテインキナーゼ / 細胞内情報伝達 / ペプチド / ポリイオンコンプレックス / バイオイメージング / DDS / 遺伝子送達 |
研究概要 |
昨年度、開発した脂質型、及びポリイオンコンプレックス型のキナーゼ活性検出分子プローブにおいて、蛍光基の修飾量、ポリアニオンの種類、脂質型でのアルキル鎖の鎖長等を種々変化させたものを合成し、リン酸化に伴う蛍光変化が最大になる最適な分子構造を決定した。ただ、これらの分子プローブは、溶液中では非常に良好な蛍光変化を示したが、細胞、及びin vivoにおいては、細胞への導入効率が悪く、細胞内のキナーゼの活性検出には至らなかった。これは、複合体の安定性に問題があると考えられたため、より強固な複合体を実現するため、カチオン密度の向上を狙ってPAMAMデンドリマーに基質ペプチドを導入した。しかしながら、蛍光の消光が小さいことと、細胞への導入効率がそれほど向上しなかったため、逆に基質を導入したデンドリマーに蛍光基を標識し、ポリアニオン側に消光基を導入することを考えた。蛍光基と消光基の組み合わせは種々検討した結果、in vivoでの使用を考えCy5.5を蛍光基にした場合、消光基としてはBHQ3が最適であった。また、ポリアニオンとしては、コンドロイチン硫酸がよいことが分かった。また、コンドロイチン硫酸は、細胞によっては表面に受容体を有しているので、細胞導入にもメリットがある。実際にこのシステムで複合体を調製すると、蛍光はほぼ完全に消光し、キナーゼによるリン酸化で大きく増大した。また、培養細胞に適用したところ、細胞への導入が確認され、プロテインキナーゼCα活性が高い細胞でより蛍光が増大した。また、リン酸化部位であるセリン残基をアラニン慙愧に置換したネガティブコントロールでは、時間による蛍光の増加は認められなかった。以上により、キナーゼに対して蛍光増大できる蛍光分子プローブシステムの基礎を確立することができた。
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