研究課題/領域番号 |
21650131
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 樹状細胞 / バブルリポソーム / 超音波 / 細胞傷害性T細胞(CTL) / MHCクラスI |
研究概要 |
バブルリポソームと超音波照射の併用により抗原送達された抗原のDC内における抗原提示経路の解析および抗腫瘍メカニズムの検討を行った。その結果、本抗原導入方法でDC細胞質内に導入された外来性抗原は、通常のDCにおける内在性抗原と同じ経路を通りMHCクラスI分子上に抗原提示されることが明らかとなった。このようにバブルリポソームと超音波照射の併用で細胞質内に直接導入された外来性抗原は、あたかもDCの内在性抗原として認識されたものと考えられた。抗腫瘍メカニズムをCTL欠損マウスを用い解析した結果、CTL欠損により抗腫瘍効果の消失が認められた。このことから、本抗原送達法を適用したDC免疫では主にCTLがエフェクター細胞として機能していることが明らかとなった。バブルリポソームと超音波照射による抗原送達効率をさらに向上させていくためには、バブルリポソームのDCへのアクティブターゲティングが重要である。そこで本研究では、DCのFcγレセプターに積極的に結合するIgG修飾バブルリポソームを調製し、DCへの結合性評価を行った。その結果、IgG修飾バブルリポソームは未修飾バブルリポソームより効率よくDCに接着した。 バブルリポソームと超音波を利用したDCがん免疫療法による肺転移抑制効果について、メラノーマ細胞膜由来抗原を送達したDCを免疫することでメラノーマ細胞の肺転移抑制効果が得られた。このような有効な肺転移抑制効果が得られたのは、DCがん免疫療法に本抗原送達法を適用することでメラノーマ細胞に対するCTLが誘導されたためと考えられた。したがって、本抗原送達法はDCがん免疫療法におけるがん転移予防にも適用可能な抗原送達法であることが示唆された。
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