研究概要 |
[目的]アルツハイマー症原因の一つは、神経細胞へのアミロイドβ(Aβ)の蓄積とされる。Aβ蓄積要因は、過剰な糖、動物性食品、飽和脂肪酸等の過剰摂取によるもの等、幾つかの説がある。本研究の目的は、食成分により実際生体内においてAβ(Aβ様物質)は生成されるのかを検討することである。 具体的には、【1】生体内における終末糖化反応(AGR)と終末酸化反応(ALR)進行の結果、Aβが生成されるか否かを細胞内で検討する。【2】Aβ生成の進行に伴い、炎症関連物質が分泌され、細胞死を導くことから、炎症マーカーを測定する。【3】AGR、ALR、炎症反応によって生成された細胞内活性酸素種(ROS)は、細胞死へ誘導することから、ROS量を測定する。 [方法]【1】(1)食成分調製:サンプルは、グルコース、リボース、ペプチド、BSA,LAB,OAB,脂肪酸の組み合わせ結果から、AGR反応進行が顕著であったものを再作成。滅菌濾過し20日間37℃でincubationした。(2)マウス神経細胞培養:細胞調製後、プレートにまき、(1)mixtureを投与し37℃5%CO_2条件下で培養した。(3)Aβ測定は、Mathew Lらの方法に従い、ELISA法にて測定。【2】1-(2)を検体として炎症マーカーのTNF-αを測定した。培養細胞上清を用い、TNF-αELISA kitにより測定。【3】Mixture投与培養した細胞内ROS産生量は、H2DCF-DAを加えWang and Josephらの方法に従い測定。 [結果]Aβと共にincubationしたサンプルは、Aβ単独よりAβは減少していたが、ペプチドと脂質の組み合わせのうち幾つかは、Glycation値と同様にAβ産生が高い組み合わせが推察された。TNF-α産生はほとんど観察されなかったが、ROS産生は上記と同様に観察され、その機構を検討中である。
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