研究概要 |
他者評価を行うにあたって大きな障害となるのが,実際に評価を行う時点に生じるコストである。思考スタイルに関する他者評価を行う場合,当人を良く知る知人の協力が不可欠であるが,多くの場合,物理的に離れた場所にある人の協力を得るには大きなコストが必要とされる。そこで本研究では,携帯端末(携帯電話)を用いて,効率的に他者評価を収集するシステムを構築した。 参加者に,自らの思考スタイルを正しく把握させる方法を確立した。これまで,思考スタイルは,アンケート形式の「思考スタイル測定テスト」を用いて,「自己評価」に基づき測定されてきた。しかし,自己評価には,多くの歪みやノイズが混入する。そこで,本研究では,自己評価に「他者評価」を加えて「自己・他者統合評価法」を提案し,より客観的に自らの思考スタイルを把握する方法論を確立した。 本年度は,実際に200名程度の実験参加者に対し,上記の自己・他者評価を実施し,「統合評価チャート」をフィードバックした。プレ・ポスト調査を比較し,このようなチャートが実験参加者にどのような気づきをもたらすのかを検討した。また,創造性活動に関して,自己評価,他者評価の組み合わせ実験を行った。
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