研究概要 |
ビスフェノールAは日用品の素材として使用されているが,内分泌かく乱作用が指摘されている.そこで,周産期でのビスフェノールA曝露が動物の機能にどのような影響を与えるのかについて老化を考慮に入れて実験動物で調べた.ビスフェノールAの周産期曝露により甲状腺ホルモン量と生殖腺ホルモン量に変化があらわれた.また,乳腺腫瘍の発生頻度も上昇し,免疫系との関連も示唆された.オープンフィールドテストの結果は曝露群と対照群との間には差は確認できず,また,小脳の形態学的解析でも両者間の違いは認められず,小脳を介した運動機能に影響を与えないことが示された.さらに,ビスフェノールA曝露による寿命への影響の実験は継続中であるが,雌雄ともに曝露群が若干短寿命の傾向を示している.
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