研究課題/領域番号 |
21651049
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2010) 東京大学 (2009) |
研究代表者 |
田中 陽 独立行政法人理化学研究所, 集積バイオデバイス研究ユニット, ユニットリーダー (40532271)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 / 再生医学 / ナノバイオ / 血管 |
研究概要 |
近年、再生医療の一つとして患者から取り出した細胞をもとに、体外で臓器を構築し、再度体内に戻して使用する技術が注目されているが、栄養分配や老廃物の除去を担う血管組織を作製できないために臓器まるごとの再生には至っていない。そこで、申請者らはマイクロ化学チップを用いて血管組織を体外で構築・回収する新規技術を提案した。即ち、マイクロチップ内壁にナノパターニングを施した温度応答性ポリマーを塗布し、血管細胞培養後、温度を下げて細胞を管状に剥離・回収するというものであり、移植用血管や三次元血管モデルとしての利用が期待できる。 本課題においては、まず上下2枚のガラス基板が分離可能なマイクロチップを作製し、マイクロ流路内壁面に固定化した温度応答性高分子を用いた管空状血管網の回収手法を確立した。また、ポリN-(イソプロピルアクリルアミド)を固定化した温度応答性表面を用い、その表面が疎水性を示す37℃で細胞を培養後、培養温度を下げて表面を親水性にすることで、温度変化による細胞接着/脱着制御を可能にする表面を作製し、血管回収チップの基盤技術を構築した。さらに、これが血管として直接再生臓器内にゼラチンゲルで回収する技法も確立し、3次元の形状を保ったまま血管組織を回収することに成功した。ゼラチンは32℃以下になると固化するが、これ以上だと融解するため、回収と同時に固化し、組織移植後に自然に融解する。これらの成果から、再生医療の一環としてトップダウン的に組織を再構築する可能性を拓いたといえる。
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