研究課題/領域番号 |
21651050
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小畠 英理 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (00225484)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | タンパク質 / ナノ粒子 / エラスチン / 自己集合 / 遺伝子工学 / 構造変化 |
研究概要 |
本申請課題は、タンパク質のみを構成成分とする高機能ナノ粒子の構築を目的として行った。エラスチン由来のポリペンタペプチド(GVGVP)nは、周囲の温度上昇に応答して構造変化を起こし自己集合する性質を持っている。そこでこの配列をベースにしたタンパク質を遺伝子工学的に合成し、温度応答特性を有する粒子状ナノ構造体を構築する。タンパク質のみを構成成分とするため、高度な機能を容易に付与することが可能であり、かつ生体親和性、生体適合性、生分解性、生体吸収性に優れるため、生体に導入する機能材料としての応用が期待できる。 平成21年度までの研究で構築したナノ粒子の特性を明らかにし、平成22年度はタンパク質の多機能化を試みてDDSキャリアとしての可能性を追求した。モデル薬剤として疎水性抗がん剤を用いて、これを粒子内部に内包した。その後、加温による粒子の収縮により内包した薬剤が放出されることを明らかにした。薬剤を特定のガン細胞等にデリバリするためには、DDSキャリアに分子認識能を付与することが重要である。そこで抗体の優れた分子認識能を利用するため、抗体結合タンパク質と(GVGVP)nの融合タンパク質を新たに構築し、適切に混合して粒子を作製することにより、表面に抗体結合能を付与したナノ粒子を構築した。さらにガン細胞特異的な抗体をその表面にディスプレイしたナノ粒子を構築し、細胞へのターゲッティング能を有することを示した。構築された種々のタンパク質ナノ粒子の基本特性、また応用展開としてDDSキャリアとしての性能を評価し、タンパク質のみを構成成分とするナノ粒子構築法として本法が有用であることを明らかにした。
|