研究課題/領域番号 |
21651053
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新留 康郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50264081)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 可溶化剤 / DNA可溶化カーボンナノチューブ / 光熱変換反応 / 密度勾配遠心分離 / カイラリティ分離 |
研究概要 |
カーボンナノチューブのカイラリティー選択的な光励起が可溶化剤の置換を引き起こす系の最適化をめざして、カーボンナノチューブを可溶化しているコール酸とDNAの置換反応の定量的評価を行った。コール酸可溶化カーボンナノチューブにDNAを添加していくと定量的な置換反応が起こる事を見いだした。この反応は1本のカーボンナノチューブにコール酸とDNAがある割合で同時に吸着するというものではなく、コール酸可溶化カーボンナノチューブとDNA可溶化カーボンナノチューブが入れ替わる置換反応である事が明らかになった。この置換反応の平行定数を温度に対してプロットする事により、置換に伴うエンタルピー変化とエントロピー変化を見るもる事に成功した。解析によると、この置換反応は吸熱的であり、DNAの吸着に伴うエントロピー増大がドライビングフォースである事がわかった。また、これらのパラメータはカイラリティーに依存しており、カイラリティー分離を実現するにはどのような可溶化剤を用いるべきかの指針を立てる事ができるものであった。可溶化カーボンナノチューブの可溶化剤の置換反応を定量的な熱力学パラメータを用いて議論した系はこれまでに例が無く、この成果を踏まえて可溶化剤置換反応やカイラリティー分離の設計が可能になると期待される。本研究によって確立された手法によって各種可溶化剤とカーボンナノチューブの相互作用を定量的に評価することが可能である。本研究はカーボンナノチューブと可溶化剤の相互作用を網羅的に評価する手法を見いだしたという意味で、真に萌芽的な研究である。
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