研究課題/領域番号 |
21651057
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
佐藤 正明 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 教授 (70128768)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マイクロ波照射 / 微小液滴 / ミスト / 超音波振動子 / 協奏的反応場 / マイクロ波加熱 / ナノ材料 |
研究概要 |
本研究では、超音波振動子によって微小液滴(ミスト)を作成し、この微小液滴が空中を浮遊した状態でマイクロ波照射を行うと、迅速加熱により、微小液滴内で化学変化が起こり種々の機能物質や微粒子が微小液滴内部で生成することがわかった。 まずは、マイクロ波照射によって遠隔でも迅速な加熱に基づく化学反応が起こることを、薗頭カップリング反応やエステル化反応を反応例として取り上げて確かめた。次に、超音波振動子により発生する液滴微粒子が空中を漂う様子を顕微鏡による動画観察したところ、大部分の液滴のサイズが約5ミクロンであるものの、中には衝突合体により30ミクロン程度にまで大きくなったものまで混在していた。 ミスト重合反応の可能性を探る目的で、スチレンモノマー(液体)にラジカル開始剤を溶かし、超音波振動子により微小液滴(ミスト)を発生させ、これにマイクロ波照射を行ったところ、それぞれの液滴内部でラジカル重合が進行してポリスチレン微粒子が生成した。しかし、浮遊するポリスチレン微粒子を粉末として取り出すことは困難で、出口に設置したガラス板の上に積層するにとどまった。従って、発想を変え、出口にシリコン基板などを置くと、この上にポリスチレン薄膜が積層することになるので、表面加工技術としては興味深いかもしれない。次に、この反応システムをZnS微粒子合成に適用したところ、半径約2nmの一次粒子、これが会合してできる球状の二次粒子(半径約300nm)が得られた。このように、ミストを反応場とする化学反応は大量合成には適さないものの、気相・液層・固相にまたがる興味深い協奏的反応場として機能することが示され、新たな応用展開が期待される。
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