研究課題/領域番号 |
21651082
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター |
研究代表者 |
植田 洋匡 財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター, 東日本支局, 技術顧問 (70026186)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2010年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2009年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 非線形音波 / 衝撃波 / 粒子ビンモデル / 降水促進 / 消霧 / 気象改変 / 霧 / 水資源 / ホーン / 雲粒 |
研究概要 |
「研究目的」雲、霧に強力音波を照射することにより、霧粒間の衝突・合体を加速し、大粒子にして地表落下を図る、降水促進技術の開発を目的とする。逆に、交通障害になる霧を消す「消霧技術」の開発研究でもある。構想のポイントは、強力音波の場合「非線形性」により波形が変化して、最終的には衝撃波フロントをもつ鋸歯波形になること、粒子は鋸波フロントでは慣性のため追随できず、結果的に音波の伝播方向に移動すること、さらに、強音波場での粒子の往復運動と伝播方向への移動が、「粒径」によって異なることを利用して衝突合体を促すこと、である。「研究成果」サブテーマ1:強力音源の開発:音源として、ピストン往復機構を持つピストンホーン型を設計製作した。霧粒間10-50μmの衝突合体に最も有効な50-150Hzの音がホーンに共鳴して強い吹鳴を行い、音の拡がり角度を抑制するようにホーンを設計した。結果、最高出力140dBを達成した。サブテーマ2:音波の非線形特性と粒子突成長の研究:非線形音波場での霧水の衝突・合体成長の時間発展を粒子ビンモデルで調べた。結果、実大気と同じ粒径分布(平均径10μm)の霧に110dBの音波を照射した場合、50秒間で平均径が50μmにまで成長することを示した。当初、国内での実証試験を計画したが、周辺住民との合意が叶わず、伊丹工業(株)の無響室を借りて、計3回室内実験を行った。まず、音圧、スペクトル、広がり角など音場特性を調べた。つぎに、超音波振動子により無響室内に充満させた霧に強音波を照射して、霧の運動の写真、ビデオ観察と、個数濃度、粒径分布の時間発展の計測を行った。実験結果は、数値計算でほぼ再現でき、本技術の実効性が確認できた。野外試験は、中国科学院大気物理研究所(気象改変研究室)と共同で実施することとし、プロジェクト会合(北京)、ワークショップ(広州)に出席した。
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