研究課題/領域番号 |
21651095
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水上 進 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30420433)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | MRI / 金属錯体 / 常磁性シフト / マルチカラー |
研究概要 |
多くの希土類金属イオンは常磁性緩和促進(PRE)効果に加えて擬コンタクトシフト(PCS)効果を持つため、配位子や配位水のケミカルシフトがシフトすることが知られている。この現象を利用して、あらかじめ配位水シグナルにNMR飽和パルスを照射することにより、異なる種類の希土類金属錯体をNMRおよびMRIによって識別することが可能である。この手法を化学交換飽和移動(CEST)という。そこで、複数の希土類金属イオンおよび配位子化合物の組み合わせにっいて、配位水の常磁性シフトの値およびCEST効果を網羅的に検討した。配位水の交換速度の速い希土類金属錯体に関しては配位水のピーク観測が困難であった。そこでさらに、ナノサイズのリポソームおよび有機ポリマーからなるナノカプセルを合成し、その内部に希土類錯体を取り込ませることで、カプセルの内外の水分子の交換を希土類錯体への見かけの配位水交換として捉えられるかどうかについて検討した。その結果、水の1H NMRピークはわずかに肩を持つピークが得られた。この結果に基づき1H MRIにおけるマルチカラー化を目指して、前飽和パルス照射によりそれぞれの各希土類金属錯体に特異的なMRIシグナルが観察できるかについて検討しているが、1H NMRスペクトルにおいてCEST実験を行うのに十分なピークの分離が得られていないことから、マルチカラー化は達成していない。しかしながら、上記結果をもとにさらにピークの分離を大きくなるような構造デザインを行うことで、CEST原理を用いた機能性マルチカラープローブの開発が可能になると期待される。
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