研究課題/領域番号 |
21652016
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
芸術学・芸術史・芸術一般
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
北川 純子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00379322)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 三味線 / 浪花節 / 浪曲 / 即興 / 日本音楽 / 「間」 / 津軽三味線 |
研究概要 |
本年度は考察対象を浪曲三味線に絞り、前年度から行ってきたフィールドワークを継続させると共に、過去の音盤におけるパフォーマンスを採譜・分析し、以下の点を明らかにした。 1、「関東節」の浪曲の三味線については、関東でしか伝承されておらず、「きっかけ」「あいのこ」「(狭義の)関東節」の三種類の「手」が基本である。 2、「関西節」の浪曲の三味線については、関西でも関東でも伝承されており、細部に違いはあるが、「地節」「きざみ」「うれい」「早節」「浮かれ」「せめ」の六種類の「手」が基本である。 3、それらの「手」は厳密に定まったものではなく、パフォーマンスのその場その場で紡がれるという「即興性」をもつ。 さらに、これらのうち、3の即興性に関しては、以下の三点が即興の準拠枠となっていることが明らかになった。 (1)それぞれの「節」特有のリズム・パターンに乗りながら「手」を繰り出すこと (2)節に入る前、節の区切り、ひとまとまりの節の末尾部分において、ある程度定型的な「手」を使用すること (3)それぞれの「節」内部においても、ある程度定形性をもった「手」が有する特徴群を継続的に使用すること。 なお、それぞれの「手」に関しては、五線譜での譜面化という形でデータベース化を行なった。研究成果の一部は、2本の論考として公表した。以上の成果は、第一に、浪曲界の当事者たちには理論化されていない「隠れた音楽理論」の一側面をあぶりだしたこと、第二に、関西と関東の伝承のありかたの違いを導出したこと、の二点で意義をもつと考えられる。
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