研究課題
挑戦的萌芽研究
児童期以後の高次の「心の理論」研究の進展をはかるため、「心の理論」と関連するプラグマティックな言語理解能力の発達を測定する課題を新たに開発し、研究I(青年期対象)と研究II(児童対象)の2つの研究を実施した。研究Iでは、大学生40人をランダムにロールプレイ群とロールプレイなし群に割り付けた。参加者は、コンピューターディスプレイ上に表示された4列×4段の棚のスロットの中にあるオブジェクトを棚の反対側に立っている「店長」の注文に従って指でタッチすることが求められた。参加者からはすべてのオブジェクトが見えているが、「店長」からはいくつかのオブジェクトは見えなかった。実験の結果、誤答率と反応時間についてロールプレイ(あり・なし)×性別(男性・女性)の分散分析を行ったところ、誤答率においてはロールプレイの主効果のみが有意であり、ロールプレイ群の方が誤答率は低かった。反応時間においてはロールプレイと性別の主効果が有意でありロールプレイ群、女性の方が反応時間は早かった。研究IIでは、小学生にも実施可能なように、4列×4段の棚のオブジェクト数を減らして、小学生46名を対象に実験を行った。他者の心の理解に関する課題(二次的誤信念、うそと皮肉の区別、責任性の理解)の成績で高群と低群を区別した。誤答率の結果では、ロールプレイ要因の主効果、他者の心の理解要因の主効果、交互作用のすべてが有意であった。すなわち、ロールプレイはマインドリーディングを活性化し、その得点と関連するのは年齢ではなく心の理解の発達であることが明らかになった。
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