研究課題/領域番号 |
21654045
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 中性子 / 強磁場 / 金属 / 極端条件 / 計測科学 |
研究概要 |
磁場誘起磁気相転移研究において、磁気構造を直接決定できる中性子回折は重要なツールである。我々は、パルス強磁場と組み合わせることで50Tまでの中性子回折実験を目指した装置開発を行ってきた。また、これと相補的な装置として、小型のコンデンサバンクを用いた30-35Tの中性子回折装置も開発している。これまでは主に、強い磁場が出せて安定しているソレノイドコイルによる横磁場装置の開発を行ってきたが、広い散乱角での測定を行うために、今回新たに2つの方式のコイルを設計し、試験を行った。 1つめは、スプリットペア型コイルである。ギャップの大きさは5mmとし、ポータブル電源で駆動できる小型コイルとした。試料の冷却は冷凍機の2次ステージによりコイルを1次ステージにより試料を冷却するが、試料温度は10K止まりである。冷却効率を改善するために、縦型の分割式クライオスタットを設計した。このクライオスタットはオレンジクライオスタットにより試料を冷やす事でより低温を達成が可能である。 もう1つの方式は、薄肉ソレノイド型コイルである。この場合中性子はコイルを透過することになり、強度が落ちるものの、構造が単純であるという長所がある。コイルの強度と吸収を評価したところ、60%の損失で25T程度の磁場が発生可能で有ることがわかった。線材としては超伝導線とSUS-Cu線から選択が可能である。また、より強い磁場の発生のためにAl203と重水を用いたバックアップ方式を検討し、コストは高くなるものの30T以上の磁場を発生可能であることを確認した。ソレノイド型の場合、コイルからの散乱が全てバックグラウンドとなるために、その効果は無視できないが、検出器のコリメーションの強化により、改善が可能である。
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