研究課題/領域番号 |
21654052
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐野 正人 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40344816)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 電気対流 / 回転運動 / コロイド分散液 / 電気分解 / 非線形現象 / 重力 / 自発的回転運動 / クリップ |
研究概要 |
電荷コロイドが分散した水を、O-リングと2枚の平行平板電極で囲まれた空間に満たし、液が漏れないようにクリップで電極を挟む。典型的な大きさは、O-リングの直径20mm、厚さ1.0mm(よって電極間距離も1.0mm)である。電極が水平になるように設置して電気分解が起こるより高い直流電圧を印加すると、ベナール対流に似た六角セルを敷き詰めたようなパターン状にコロイド粒子が集合する。これは、電荷コロイド粒子が電気分解に伴うイオンの流れと相互作用して生じる水の電気対流により説明される。六角セルの一辺は電極間距離に等しく、1.0mmである。次に、電極が垂直になるように設置して同様の操作を行うと、同様のパターンが形成されるだけでなく、パターン全体がO-リング中心を基点として回転するのが観察された。さらに、回転運動は、垂線に対するクリップの取り付け位置とクリップの締め付け強度で支配されることが判明した。 本研究では、その機構解明のため、個々の六角セル内の流動とパターン全体の回転運動の関係を顕微鏡を使って直接観察した。まず、墨汁とラテックス粒子を混合することで可視化に成功した。パターン上の3点を基準に取り、映像を回転座標系で取得した。よって、映像では全体の回転は無いように見える。解析の結果、セル内の流動は、電極表面に沿った流れと電極間(表面に垂直)の対流が組み合わさった3次元の流れになっていた。初期解析からは、表面に沿った流れは隣り合うセルで反対方向になっている様子が示唆されたが、全体の流動を確定するにはさらに多くのセルを同時に解析することが必要である。
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