研究課題/領域番号 |
21655018
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山内 美穂 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (10372749)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ナノ合金 / 規則合金 / B2構造 / 光触媒 / 水素発生 / 硝酸還元 / アンモニア合成 / CuPd / ナノ粒子 / 2-エトキシ-エタノール / TEM観察 / 粉末X線回折 / 放射光 / 不規則合金 |
研究概要 |
化学プロセスにおける"省エネルギー化"が環境問題解決の鍵であり、高性能触媒の開発は急務の課題である。ナノメートルサイズの合金は触媒として優れた性質を示すが、更なる高性能化には、金属配列、幾何構造の原子レベルでの精密な設計が求められる。しかし、金属が規則的に配列した規則合金のナノ粒子を得るのは困難であり、ましてや触媒へ適応された例は皆無である。本研究では直径数ナノメートル程度の"規則合金ナノ粒子触媒"を創製し、高性能触媒の探索を行う。 本研究で、比較的強い還元剤である無機水素化物を用いて低温で合成した結果、不規則bcc型のナノ合金の生成が確認された。さらに、水素吸蔵・放出プロセスを利用することによりCuPd合金ナノ粒子の低温での規則化に成功した。通常、CuとPdバルク合金の規則化には600度以上の加熱処理が必要であるが、低温で処理できたため、粒子間の凝集は観測されず、水素印加処理法はナノ合金の構造制御に極めて有効な方法であることがわかった。 液相還元法により調製したCuPdナノ合金をTiO_2に担持させた触媒(CuPd/TiO_2)を作製し、硝酸還元反応に適用した。CuPd/TiO_2は光水分解水素発生触媒として、通常、高い触媒特性を示すPdよりも高い活性を示した。さらに、光水分解により触媒表面上で発生する発生期の水素を用いて硝酸還元を行ったところ、硝酸イオンが効率的に還元され、かつ高選択的にアンモニアが生成することが明らかになった。これは、Pd,Ptなどの単純金属や従来法で作製したCuPd触媒にはみられない性質であり、原子レベルで良く混合したCuPdナノ合金に特有の性質であると考えられる。
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