研究課題/領域番号 |
21655066
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河村 純一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50142683)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | NMR / リチウム電池 / 燃料電池 / 固体電解質 / イオン伝導 |
研究概要 |
本研究では、イオン伝導体に対する新たな計測技術として、核磁気共鳴(NMR)とイオン伝導度を同時に測定するシステムを開発することを目的としている。そのためには、NMR装置内に設置した電気化学セルに対して、電圧・電流印可装置をつなぎ、インピーダンス測定とNMR信号検出を同時に行なえる装置を構築し、固体・液体中でのイオンダイナミクスを同時に精密に測定する技術の開発を目指している (1)昨年度までに開発した、インピーダンス計測用の電極とNMRコイルとの相互干渉の低減、光ファイバ温度計によるin situ温度計測などの技術を更に改良し、イオン伝導度とNMR測定を同一試料・同一温度条件下で測定する技術をほぼ完成した。これにより、精度・信頼性・再現性において格段に優れたデータが得られる事を確認できた。 (2)この技術を用いて、LiI-H2O・トレハロース系の過冷却液体に対して適用し、100℃~-70℃の温度範囲でプロトンとリチウムイオンの拡散係数を分離測定し、同時にインピーダンス法によりリチウムイオン伝導度を測定した。その結果から、この系のイオン伝導度はリチウムイオン伝導が支配的であり、水分子と強く結合して移動している事。トレハロースの添加により、水分子との結合からデカップルされたリチウムイオンが生成する事が明らかになった。 (3)またプロトン伝導性高分子電解質に対し、電極配置下でのNMR・MRI測定を行い、複数のプロトン種の存在とそれらの導電率への寄与を分離できる事が明らかになった。 (3)これらの技術をリチウム電池の有機電解液にも適用し、充放電時のMRI画像取得やin situでのNMR測定技術を開発した。 以上の結果は、2編の学術論文ならびに日本物理学会年会、固体イオニクス討論会、およびアジア固体イオニクス国際会議(武漢)等において発表された。
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