研究分担者 |
屋代 如月 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50311775)
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
内田 真 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (90432624)
山中 晃徳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50542198)
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研究概要 |
結晶性高分子材料の組織形成と対応する力学的特性評価を目指し実施して得られた研究成果を示す。 1. 結晶化による温度,応力の変化の影響を導入したフェーズフィールド法による3D球晶形成予測:溶融状態から結晶性高分子材の創生をフェーズフィールド法を援用してモデル化し,シミュレーションによって評価するために,フェーズフィールドの発展方程式と熱力学的場の支配方程式を導出.それぞれの方程式の,時空変数の差分と有限要素による離散化とその効率的な解析手法を提示した. 2. フェーズフィールド法によって得られた多結晶組織の力学モデルの構築:結晶性高分子材は多数の球晶の集合であり,それぞれの球晶は結晶相と非晶相からなる複雑な形態を呈する.代表体積要素内の不均一な組織と変形を表すレベル,球晶内の不均一な組織と変形を表すレベル,球晶を構成する非晶相と結晶相の組織と変形を表すレベルの3階層均質化法を,通常のマクロに不均一変形する微視組織を有する材料に対する均質化法と同様な手法を援用した3スケール評価法を新たに提案した. 3. 提案したモデルの妥当性の検証:多結晶組織評価と力学特性評価手法の統合により構築した上記結晶性高分子材の組織・力学特性評価モデルの妥当性を検証するために,一連のシミュレーションを行い,得られた結果と既存の実験結果を詳細に比較検討することにより,モデルの問題点ならびに修正箇所を抽出し,高精度化の可能性を検討した. 4. 結晶性高分子材の強度評価シミュレーション:結晶性高分子材の組織・力学特性評価モデルを用いたシミュレーションにより,複相化した結晶性高分子材の特性を評価し,高強度をもたらす複相材の形態創生に関する基礎資料を提供するとともに既存の実験結果と比較検討することにより得られた結果の妥当性を検証した.
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