研究概要 |
格子ボルツマン法における2種類の粒子を用いたモデルを用いて,凝縮気体(蒸気)と非凝縮気体(空気)が共存する場合の,流れの計算を行ったが,非凝縮気体の割合が増加するに従い,分子気体力学の結果との乖離は減少した。格子ボルツマンモデルにおける実質的なクヌッセン数を0.O1として、気体分子力学を基礎とした、モンテカルロ直接法による計算との比較でも、クヌッセン数が同じく0.01の場合とよく一致し、希薄度の効果も計算において考慮可能であることを示した。 また昨年度での気液のモデルでは,気相から液相に音波が伝播する際のインピーダンスが不正確であった。この原因が液相に対する質量を大きくする効果と,音速を大きくする弾性係数を変える効果とが分離できておらず,計算が不正確になっていることがわかった。今年度はこの2つの効果を分離することにより,良好な結果が得られた。 気液二相のモデルに蒸発の境界条件,また蒸発量に従い液滴の体積を減少させるモデルを用いて,平面状音波の散乱のシミュレーションを行い。液相のみの場合に比べ,蒸発を伴う場合が,音波の減衰が大きいことがわかった。
|