研究課題/領域番号 |
21656078
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 威友 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 准教授 (50343009)
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研究分担者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (80149898)
本久 順一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (60212263)
古賀 裕明 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教 (80519413)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 半導体ナノ構造 / 光吸収率 / 太陽電池 / 多孔質構造 |
研究概要 |
平成22年度は、n形インジウムリン(InP)ポーラス(多孔質)構造の内壁に白金(Pt)薄膜を形成する手法を開発し、InP配列ナノ構造を基盤とするPt/InPショットキー型光電変換素子の試作を行った。 1.n形InP多孔質構造の孔内壁表面にPt薄膜を電解析出により形成する手法を開発した。真空蒸着法と比較してPt薄膜による孔内壁表面の被覆率が高く、Pt薄膜の厚さは時間により制御可能であることを明らかにした。特に電解析出電圧をパルス波形で印加することにより、膜厚の緻密な制御が可能であり、孔径600nmで深さ4μmからなる多孔質構造の内壁に厚さ20nmの均一なPt薄膜の形成に成功した。 2.作製したPt/InP多孔質構造の光反射率特性を明らかにした。入射光200nm-1100nmの波長領域における光反射率は5%以下であり、平坦なInP基板と比較して表面反射が10分の1に低減されていることを明らかにした。 3.作製したPt/InP多孔質構造の電気的特性を明らかにした。上部(Pt側)と下部(InP側)に電極を形成して測定した電流・電圧特性が整流性を示すことを明らかにし、Pt/InP多孔質構造の界面にショットキー障壁が形成されていることを確認した。また、光照射下では、光強度に応じて逆方向電流が増大することを明らかにした。この増加電流は、比較用に作製したPt/プレーナInP接合と比べて2~3桁大きい。これらの結果により、微細孔が周期的に配列した半導体多孔質構造は、内壁表面に適切な電位障壁を形成することで光キャリアを効率的に分離することが可能であり、太陽電池をはじめとする高効率光電変換素子への応用に有望であることが示された。
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