研究課題/領域番号 |
21656095
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
真田 篤志 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20264905)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | メタマテリアル / 透明マント / 等価回路 |
研究概要 |
本研究は、回路的手法に基づく異方性メタマテリアルの媒質構成理論を確立し、電磁波の反射・散乱を広帯域かつ低損失に抑制する透明マント媒質の実現法を提案するものである。前年度、微小領域に分割した異方性媒質の等価回路として、2次元T型回路の直交するxおよびy方向のポートを磁気的に結合させたポート結合型2次元T型回路を提案し、その妥当性と同時に物理的意味を理論的に論じた。 本年度は、得られた回路理論の妥当性を数値的および実験的に検証した。まず、提案するポート結合型2次元T型回路に対して回路シミュレーションを行った。有限個の等価回路を配列して構成した2次元異方性媒質中を伝搬するTE波の電圧振幅および位相分布を回路シミュレータにより計算した。分布から得られたΓ-XおよびΓ-M方向の伝搬波の分散特性はこれらの方向に無限周期を仮定した理論値とよく一致し、本等価回路の妥当性が数値的に示された。次に、本等価回路の動作を実験的に検証した。88×88セルの周期構造で構成された異方性媒質試作し、これを0.5から20GHzの点波源により励振した場合の媒質中の電磁波の振幅および位相を近傍電磁界測定により観測した。測定より得られた分散特性は理論的および数値的に得られた分散特性とよく一致し、等価回路の妥当性が実験的にも確認された。さらに、本等価回路を用いて透明マント媒質を設計し、その動作を数値的に検証した。線形、2次、1/2次、双曲線型等の各種の座標変換で得られるTE波に対して円筒物体を隠す透明マント媒質を提案した等価回路を用いて構成し、その動作を回路シミュレーションにより検証した。いずれの座標変換に対しても本回路の妥当性が確認されると共に、オクターブ以上の非常に広帯域にわたって透明化動作が可能であることを示した。なお、検討したこれらの変換の中では同じ離散化セル数であれば1/2次変換が最も反射散乱を抑えることが可能であることもわかった。
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