研究概要 |
危険な速度で走行する車が存在する生活道路では、歩行者の「通行の安全」が損なわれている。車の速度を抑制するにはハンプの設置が有効であるが、この方法には騒音問題がつきまとう。これまで申請者は、小型貨物車がハンプを跳躍して大きな衝撃音を発生させること、そして、その発生位置(ハンプからの水平距離、地面からの高さ)、パワーレベルとそのスペクトルを関数で表現した。更に、本年度は、この結果を使って、ハンプが設置された沿道の騒音を予測した後、ハンプによって発生する衝撃音への対応策を検討した。以下にその結果を述べる。 1.騒音規制法で定められている規制基準値の決定方法に準拠して、ハンプの衝撃音により睡眠・会話影響が生じない評価値を提案した。この評価値と沿道騒音の予測値を比較検討した。 2.その結果、沿道家屋の「窓を閉めた状態にする」ことは必須である。「夜間(睡眠)」の方が「昼間(会話)」より深刻な影響を受ける。 3.ハンプを家屋から9m以上離せば騒音問題は生じない(条件:車速25km/h,窓閉,夜間,塀無し,寝室1階)。 4.家屋が連担していれば、1.5m以上のブロック塀を遮音塀に使うと騒音問題は生じない(条件:3.と同様,但し,塀有)。 5.寝室が1階ではなく2階にある場合で、しかも、寝室が道路側にあれば、2mのブロック塀があっても騒音問題が生じる。窓の防音化で対処が必要となる。 6.基本的に、生活道路といえども、道路幅員をできるだけ広く取ることが大事である。
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