研究概要 |
Ni-Mn-GaやNi-Mn-Inなどのホイスラー合金は, 強磁性, メタ磁性形状記憶合金として注目を集めている.これらは, NiMn-B2相からNi2MnX-L21相まで, bcc規則相が高温で固溶体を形成し, それらがマルテンサイト変態することで特有の磁性を示す.3B, 4B, 5Bに属するAl, Ga, In, Sn, Sbは, そのbcc規則相の相安定性が明らかにされているが, おなじ半金属であるSi, Ge, Pb, biではNiMn-bcc規則相への合金化した時の安定性と相境界は明らかでない.本研究では, Ni59Mn50-xXx(X : Si, Ge, Pb, bi)合金を作製し, 850~ 1000. Cにおける相安定性を調査した.SiおよびGeを添加した合金では, 低濃度側ではマルテンサイト構造を観察することができたが, 固溶度は狭い.また, Ni50Mn35Si15およびNi50Mn35Ge15合金では, 単相組織が得られたが, これらはbcc規則構造ではなく, Ni3Mn2Si2構造を有する. 2相であった.また, Ni-Mn-Ge系で, 新たにΓ_1,Γ_2, T相を確認している.一方, Pb, Bi合金を加えた合金では, NiMn-bcc規則相への固溶度は1at%以下と非常に小さく, また, マルテンサイト相の構造は2Mであることが明らかになった
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