研究課題/領域番号 |
21656170
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須藤 祐司 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80375196)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 相変化メモリ / Te-Si薄膜 / アモルファス相 / 結晶化温度 / 電気抵抗変化 |
研究概要 |
本研究では、Te-Si系アモルファス薄膜の結晶化挙動および電気抵抗変化を調査し下記の知見を得た。 (1)Te-Siアモルファス薄膜の相変化挙動 相変化メモリでは、相変化材料の結晶化による体積収縮によりセル内に応力が蓄積し繰返し特性に悪影響を及ぼす事が指摘されている。本実験では、Te-15at.%Siアモルファス薄膜の結晶化に伴う膜厚変化を調査した。その結果、第一結晶化に伴い約3.5%収縮する事が分った。その後の加熱により、電気抵抗の上昇に伴い膜厚が1%程度増加した後、第二結晶化により、アモルファス状態よりも約5%膜厚が減少した。既存相変化材料であるGe_2Sb_2Te_5は結晶化に伴い6.5%程度膜厚が減少し、その後の構造変化により更に約2%収縮する事が報告されている。本Te-Si薄膜の結晶化に伴う膜厚変化は、既存GSTよりも小さく繰り返し特性にも優れる事が期待される。 (2)Te-Si-X薄膜の基礎物性 本研究では、Te-Si二元薄膜の諸物性に及ぼす添加元素X(Ge,Cuなど)の影響を調査した。その結果、Te-Si-Ge三元薄膜において、高い結晶化温度を得られる事が分った。特にTe-13at.%Si-43at.%Ge(TSG)薄膜において300℃程度の結晶化温度が得られる事が分った。TSG薄膜は、明瞭な二段結晶化は示さないものの、結晶化後、その電気抵抗は温度の上昇と共に緩やか減少し、400℃程度で一定の値に落ち着く。結晶化に伴い100℃程度の範囲で緩やかに雌気抵抗が減少し、更に結晶化による電気抵抗変化は10^4Ω程度と大きく、多値記録材料として有望である事が示唆された。
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