研究課題
挑戦的萌芽研究
研究の第一段階として、地形照合の基本的アルゴリズムを構築し、測量船などからマルチナロービームソナーによってすでに計測されている第四与那国海丘周辺の地形図を用いて、コンピュータシミュレーションにより尤度を用いたロボット位置を求めるソフトウェアを開発した。開発したアルゴリズムをホバリング型AUV「Tuna-Sand」に移植。ついで、位置を元にして航路計画を決定する航法ソフトウェアを作成し、「Tuna-Sand」に搭載した。そして、本所千葉実験所において試験を行い、アルゴリズムの確認と各種パラメタの調整、および航法アルゴリズムの作動確認を行った。第二段階として、2009年9月、鹿児島湾若尊カルデラ水深100mにあるハオリムシサイトに「Tuna-Sand」を展開して、平穏な海域における地形照合航法の試験および調整を行った。さらに、支援船に取り付けられた簡易型超短基線音響測位装置(SSBL : Super Short Base-Line Navigation System)を用いてロボット位置を計測し、そのデータをロボット航法にフィードバックすることで、地形照合航法と超短基線音響測位手法を併用した航法を開発した。また、チムニーの画像撮影を行い、モザイクを作成するとともに、画像とシートレーザーを利用したチムニーの3次元形状計測システムを構築するための基礎データを取得した。第三段階として、海洋研究開発機構の平成21年度深海研究公募で採択された「強潮流下にある熱水地帯の2台の自律型海中ロボットを使った観測と観測手法の開発研究」課題において、2010年1月から2月にかけての約10日間の「かいれい」を支援船とする研究航海において、「Tuna-Sand」を第四与那国海丘の強潮流下において展開、第四与那国海丘の強潮流下において、超短基線音響測位と地形照合航法のハイブリッド航法を行い、強潮流下へ潜航して海底観測する自律型海中ロボットの高精度位置決定法による航行を実現させた。また、その際に、航行型自律型ロボット「r2D4」を中層に展開して、複数ロボットの同時展閉を試みるとともに、「r2D4」が持つ音響装置(サイドスキャンソナー)を使って、海底面形状を計測し、その情報を参照データに組み込む手法を同時に開発した。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)
Proc.UT09, Wuxi, China
ページ: 214-218
ページ: 105-111
Proc.Oceans2009 Bremen, Bremen, Germany
Proc.ROBOMEC'09, Fukuoka, Japan
第21回海洋工学シンポジウム講演論文集
Journal of Marine Science and Technology Vol.14, No.3
ページ: 373-386
10025363100