研究課題/領域番号 |
21656237
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日野 正裕 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (70314292)
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研究分担者 |
北口 雅暁 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (90397571)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 中性子スピン光学 / MIEZE / 小角散乱 / 偏極ミラー / スピンエコー / 集光デバイス |
研究概要 |
本研究では中性子スピンの位相を精密に制御することで、検出器の位置分解能よりも高分解能な小角散乱分光法(SANS)を提案し、実験で評価することが目的である。その実現にはJST先端計測分析技術・機器開発事業の支援を受けて、世界で初めて開発に成功した電磁石を用いた共鳴スピンフリッパーコイル(RSF)による高分解能MIEZE型スピンエコー分光器の基本部品と技術を応用することでめざした。実験は日本原子力研究開発機構C3-1-2-2ポート(MINE1)において行った。RSFと2次元検出器を傾けた状態でMIEZEシグナルの観測に成功した。しかしRSFの電磁石の静磁場の均一度やもれ磁場の干渉により、振動磁場を斜めに傾ける方法では高分解能化が難しいことが分かった。また振動磁場コイルを斜めにする手法は異方性のある試料に関しては、少なくとも90度回転させて、0と90度の2回は測定することが必要であるが、このことは、磁場をかけることが有効な試料の道も閉ざす。これはMIEZE型では試料の後方には検出器しか必要無いため、磁場環境からもフリーになり磁気散乱の測定も容易であるメリットを活かせなくなる。この様な実験検討から、電磁石RSFのメリットを活かし、高分解能な小角散乱測定を行うには振動磁場コイルを斜めに配置するよりも、ビームに対して垂直にし、集光デバイスを用いてビームの軌跡をより精密に制御する方が有効なことが明らかになった。そこで今回は新たにフレキシブルな高性能な中性子スーパーミラーシートの開発に成功して(特許出願)、集光デバイスを安価に製作できる可能性を示した。また実機でMIEZE-SANSの検討のために、安価な磁気ミラーホルダーの開発、及びそれを用いた長尺(L=60cm)で3.5Qcの透過型偏極スーパーミラーの開発に成功した。
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