研究課題/領域番号 |
21657008
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木暮 一啓 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10161895)
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研究分担者 |
西村 昌彦 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (10242174)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 微小粒子 / 海洋細菌 / 捕獲 / 栄養戦略 / 低栄養 / 菌体表面 / 原子間力顕微鏡 / 人工磁性ビーズ |
研究概要 |
海洋は一般に低栄養状態であり、殆どの細菌群集にとっては有機態の栄養基質が十分でない。海洋の有機物は様々なサイズを持つ粒子によって構成されるが、一般にそのサイズが小さくなるほど数が多くなる。従って小さなサイズの粒子を海洋細菌がいかに利用するかはその栄養戦略にとって極めて重要である。本研究では、細菌が微小粒子を捕獲するという概念を初めて提出し、その実態解明を試みるものである。 微小粒子が実際に海洋細菌に捕獲されるならば、それは培養実験を行うことによって観察されるはずである。すなわち、水相中の粒子数は培養に伴って減少し、一方、細菌表面上の粒子数は増加する。この経過を調べるために、海水を東京湾から採取し、1ミクロンのフィルターでろ過して大部分の大型粒子と捕食者を取り除いた後、培養実験を行って、粒子の動態を主に原子間力顕微鏡で観察した。その結果、粒子数は培養開始後大きく減少し、上記の仮説が裏付けられたしかし、その後粒子数の増加および変動が観察され、現在、その解析を行っている。一方、細菌と粒子の相互作用の一環として、細菌からの粒子の放出についても実験的観察を行った。 さらに、この実験結果を平成21年春岩手県大槌町にある大気海洋研究所、国際沿岸海洋研究センターの実験水槽で行った屋外培養実験結果との比較を行った。その結果、屋外培養実験では、人為的に誘発した植物プランクトンのブルームに応じて微小粒子数および捕獲細菌数が顕著に増加した事実を適切に説明できることが確認された。
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