研究概要 |
本研究は,「1,花弁特異的プロモーター(InMYB1プロモーター)+液胞膜輸送体の制御による形質転換花きの作出」と「2,花弁特異的プロモーターの有効範囲の検定」に分けることができる. 1, 形質転換花きの作出:液胞pH変化を上昇させて花弁を青色化する目的で,液胞膜の2つのプロトンポンプ(V-ATPase,V-PPase)を同時に抑制することを試みた.平成21年度に構築した,InMYB1プロモーターにV-ATPaseおよびV-PPaseを発現抑制するためのRNAiカセットを組み込んだ発現ベクターを,ボンバードメント法により様々な花きの花弁に導入したところ,青色化する細胞が検出された.しかしながら,これらがプロトンポンプの発現抑制によるものか,ボンバードメントによるダメージかが判然とせず,現在,このベクターを用いて,アサガオの形質転換体の作出を進めつつある. 2, プロモーターの有効範囲の検定:InMYB1プロモーター1kbにGUSレポーター遺伝子を結合した発現ベクターをボンバードメント法で様々な花きに導入することで,平成21年度に確認したキク,カーネーション,ストック,トルコギキョウ,リンドウに加え,平成22年度にユリやオンシジウムなど単子葉植物でも有効であることを確認した.また,InMYB1プロモーター領域を短くして,GUSレポーター遺伝子を結合してシロイヌナズナに導入したところ,500bまで削っても花弁特異性を保つことが確認できた.
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