研究課題
挑戦的萌芽研究
植物の葉表面や葉組織には微生物が生息し、植物や病原微生物と相互作用することによって、植物の生育や様々な環境ストレス・病虫害に対する耐性に関わっているものと推察されている。本研究では、イネ植物体の細胞間隙に生息する微生物群集の多様性と、同微生物の植物への耐病性付与について研究を行なった。その結果、(1)イネの細胞間液から抽出したDNAを鋳型とした16Sと18S_rDNA断片のPCR-DGGE法によるバンドパターン解析と塩基配列を用いたデータベース解析から、微生物集団の多様性と微生物種の推定が可能である。(2)有機栽培イネの細胞間隙液に特徴的な内生菌として、Pseudomonas sp., Bacillus sp., Curtobacterium sp., acinetobacter sp. 等を見出すことができた。(3)同分離菌の中には、イネいもち病菌の感染、増殖に抑制的な働きをもつものや、イネもみ枯細菌病菌による苗腐敗症を抑制するものが存在していた。以上のことから、有機栽培イネの細胞間隙液に存在する内生菌集団の中には、病原菌の感染、増殖に抑制的な働きを持つものが存在している可能性が考えられた。
すべて 2012 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) 図書 (5件)
Biological Control
巻: 60 ページ: 297-304
Journal of Plant Physiology
巻: 168 ページ: 1972-1979
Journal of General Plant Pathology
巻: 77 ページ: 121-131
10029720895