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ストレス環境が誘導する植物万能細胞の巨大中空繊維分泌

研究課題

研究課題/領域番号 21658063
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 木質科学
研究機関九州大学

研究代表者

近藤 哲男  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30202071)

研究期間 (年度) 2009 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード植物万能細胞 / 中空繊維分泌機構 / カロース中空繊維 / プロトプラスト / ストレス応答 / カルス / 繊維生産誘導 / 懸濁培養細胞
研究概要

最近、カルシウム大過剰の酸性条件下でシラカンバ葉肉細胞から得たプロトプラストを培養したところ、β-1,3-グルカンであるカロースからなる繊維が分泌されることが見出され^<1)>、それがナノ/マイクロ径の中空糸より構成されるユニークな階層構造をもつことが明らかにされた^<2)>。このカロース繊維合成機構は、カルシウム濃度や酸性条件といった一種のストレス環境に応答したプロセスだと考えられる。このようなストレス応答に起因したカロース繊維生産機構を明らかにすることは、植物の制御されている潜在能力を探る上で有益な情報になる。しかし、この場合のカロース繊維を産生するプロトプラストの数は、96wellプレート1枚あたり約25個と低く、この要因として、葉肉細胞が様々に分化するため、ストレスに対して同調した応答を示さない可能性が挙げられる。
そこで、本研究では、同調性の高いカルス懸濁細胞を用いることにより、ストレスに応答してカロース繊維を産生する細胞数を増加させるための検討を行った。まず、懸濁細胞の継代回数、pH、カルシウムイオン濃度を変えて繊維産生における最適な培養条件を検討した。その結果、カロース繊維を産生するプロトプラストの割合は、葉肉由来プロトプラストに比べ約8倍となり、第一の目的であったカルスを用いて同調率を上げる繊維生産誘導系条件を見出すことができた。この繊維の形態を解析するために超薄切片を作製し、透過型免疫電子顕微鏡観察を行ったところ、中空糸にはなっているものの、その直径は葉由来のプロトプラストの場合と比較して小さくなっていることが判明した。さらに、繊維合成酵素の単離を試みたが、単離精製までは至らなかった。
1) Kondo, T., Magoshi, J, Abe, H, Sasamoto, H. (2000) Japan Patent No.3936522.
2) Seyama, T., Kimura, S., Sasamoto, H, Abe, H., Kondo, T. (2008) Planta 227 : 1186-1197.

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 植物万能細胞のストレス応答に起因するカロース繊維の紡糸促進2009

    • 著者名/発表者名
      武永あかね, 松尾慎太郎, 瀬山智子, 近藤哲男
    • 学会等名
      第46回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2009-07-11
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] ストレス環境で植物細胞が産生したカロース繊維由来の複合材料2009

    • 著者名/発表者名
      武永あかね, 松尾慎太郎, 木下真実, 瀬山智子, 近藤哲男
    • 学会等名
      平成21年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2009-06-10
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2016-04-21  

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