研究課題/領域番号 |
21658079
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
梶原 晶彦 山形大学, 農学部, 助教 (60291283)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 地球温暖化 / 亜酸化窒素ガス / メタンガス / 湿地保全 / 水質浄化 / 渡り鳥 / ため池 |
研究概要 |
H.22年度は、前年度に引き続き山形県鶴岡市大山地区の都沢湿地を対象地として、通年の水質調査および温室効果ガス(亜酸化窒素、メタン)発生量の調査を行った。本湿地には大山下池の放流水浄化水路が設置されている。調査頻度はどちらも2週間に1回とした。H.22年度は生態系保全の目的で夏季には湿地への流入水を止めて湿地の乾地化を行った。また冬季には植生による水質浄化効果の差異を検討する目的で、植生刈取り区と対照区を設けて連続調査を行った。 水質調査の結果では、TN濃度、NO_3^-濃度、NH_4^+濃度については全期間を通してそれぞれ30.6%、52.3%、29.3%の浄化効果が観測され、これは、植生による吸収、沈降および脱窒、降雨による希釈などによる影響と考えられた。植生刈取りの影響調査では、刈取り区よりも対照区で大きな浄化効果が得られた。これは気温低下のため刈取り区で植生の再成長がなかったことが原因と考えられた。一般的には枯死体からの養分溶脱を防ぐため植生の刈取りを実施すると浄化効果が大きいとされているが、本湿地では渡い鳥の影響により秋冬季に水質が大きく悪化するため、同時期には刈取りを行わないほうが効果的と考えられた。 ガス発生量調査では、乾地化した夏季にはメタンガス発生が抑制されたが秋季以降は増加し、渡り鳥飛来初期である10月初旬に最大発生量を観測した。その後冬季には気温低下により発生量も減少した。一方で、亜酸化窒素ガスの発生量は夏季にやや大きく、約0.05kg/ha/dayとなったが、秋季以降は0.01kg/ha/day以下に低下した。ただし渡り鳥飛来初期には約0.023kg/ha/dayとなり、一時的なガス発生量の増加が見られたことから、水質悪化による影響が明らかとなった。
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