研究課題
挑戦的萌芽研究
1.細胞膜表面ミメティックスの作製細胞膜表面糖鎖を模倣した糖鎖分子集合体(クラスター化)の構築のため、新規ジスルフィド双頭型配糖体の合成を行った。具体的には、スペーサー部構造の異なる種々の革アセチルラクトサミン(LacNAc)配糖体を4,4'-dithiodibutyd cacidの両末端カルボキシル基に対して導入することで、各種LacNAc含有ジスルフィド双頭型配糖体を得た。また、これら双頭型配糖体は種々の糖転移酵素により糖鎖伸長が可能であり、α2,6-およびα2,3-シアリルトランスフェラーゼを用いることで双頭型配糖体の糖鎖部をヒト型やトリ型インフルエンザウイルスが認識する細胞膜表面糖鎖に変換可能であることを実証した。2.局在表面プラズモン共鳴法の確立金基盤上にジスルフィド基を用いて双頭型配糖体を固定化することで、ラベル化が不要な糖鎖固定化バイオセンサーを構築する事を目的として、金ナノ粒子修飾局在表面プラズモン共鳴(LSPR)基盤上への糖鎖の固定化を行った。蛍光顕微鏡を用いた観察では、LacNAc構造を認識する蛍光標識レクチン(デイゴマメレクチン;ECA)との糖鎖構造特異的な結合が観察された。また、LSPRにLacNAc含有ジスルフィド:双頭型配糖体固定化金基盤を用いたところ、糖鎖固定化によりECA(非標識)との相互作用問における最大吸光強度や最大吸収波長に違いがみられた。興味深いことに、この糖鎖-レクチン間相互作用における最大吸光強度や最大吸収波長は固定化糖鎖であるLacNAc含有ジスルフィド双頭型配糖体のスペーサー構造(アルキル鎖長など)によっても変化する事が示された。また、酸性糖であるシアロ型糖鎖を固定化した場合は、中性糖のときとは異なる光学特性を示すことも明らかとなった。以上の結果より、金ナノ粒子修飾LSPR法を用いることで、ラベル化が不要な糖鎖固定化バイオセンサーを開発した。さらに、高感度の光学的バイオセンサーを設計する際に、本糖鎖プローブの糖鎖構造及びスペーサー構造の重要性が示された。
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